新幹線で名古屋に行くことがあり、新幹線の道中暇なので買ってみました。瞬く間に読み終えてしまいました。さすがベストセラー本。
ご存じの方も多いと思いますが、主人公の女子高校生の推しが炎上してしまって。。。。 という話です。正直、「推す」という感覚がわからない40代おっさんなので、ある意味感情移入できず淡々と読み進めてしまった気がします。推す というところまで私は物事に熱中していないのかな?と思っちゃいましたね。そのため、正直序盤はそんなに推すということのシリアスな部分を全然想像もしないままライトにとらえられていたと、読み終えて考えさせられます。
中盤に行くにつれて、推す ことが生活の中心であり、推すことが人生であるくらいのウェイトを主人公にとっては占めているのだとわかり始めるにつれて、だんだん読むのがつらくなってきましたね。推し ができてしまったことが主人公の立場・生活を苦しくさせる要因だったのか?それとも、推し にすがらずには生きていけない環境であったことがこのエンディングに導いてしまったのか、家族の理解があれば適切な処置や治療を受け平和だったのか、推し が炎上しなければ推すことによって穏やかな生活がおくれていたのか、IFルートを考えずにはいられないですね。
印象に残った部分としては、「推せなくなったらそれが余生」 みたいな言い回しがあって、読んでてぞくっとしました。私事ですが、ハッピーエンドよりもバッドエンド好きです。なので、よかったねちゃんちゃん みたいな流れで終わらずに、余韻を残す終わり方がすごくいい。
また、全体を通して思ったのは、心理描写が大変丁寧。推すことを知らない私でも、推すことの一端を垣間見れたので、有意義な読書となりました。